仙骨の動きで墨をすり、
左手のツボミの手で筆をもち、
決して手先にはならず、
身体全体をつかい独特な筆の運びで書きます。
手ではなく仙骨を意識した墨すりは、とても難しくて
「墨すり3年」と言われる厳しい修行です。
頭は真っ白になりつつも、
すずりに向かい縮こまり集中していると、身体の内側から、書きたい言葉が静かに沸き上がるのです。
右手の手先で表現されるものとは世界が違う。
左手から全身の流れをつなげた筆を、息と共におろす。
その墨跡は、吸い込まれるように深い。
形ではなく、その深さを見分けられる目を持つことは、
このような訓練で得られるのだ。
身体の世界は本当に面白い。
(齋藤麻紀子)
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